北海道珍道中記 - 北斗星乗車編 -

「一度で良いから寝台特急の旅をしてみたいのよね」

おもむろに嫁がつぶやく。
トワイライトエクスプレスの廃止という報道を見て唐突に思ったらしい。
北海道新幹線の函館開通を理由に全廃が予測される北海道行きの寝台列車。
もし残ったとしても九州の“ななつ星”のようにオイラのような貧乏人には乗れない価格設定となってしまう可能性もある。
この機会を逃すと二度と乗ることが無くなってしまうかも知れない。

鉄としてはあけぼの→はまなすというマニアックな乗り継ぎで北を目指したかったのですが
食堂車の優雅なひととき

を夢見る嫁の希望にあえなく却下。
ならば古き良き時代を彷彿とさせる二段式B寝台にと目論んだのだがこちらも個室希望の嫁の意見に屈することに。
んじゃぁリッチに行っちゃいましょう。
岬めぐりも乗ったことないA寝台に。
そんなわけで二人用A寝台個室のツインデラックスで北を目指すことにしました。
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ちなみに複数箇所に寝台券の手配を頼んでいたのですが出発日がまだ夏休み前と言うことでかなり空きがあったみたいですべて取れてしまいました・・・。
そう言えばツインデラックスのほとんどの客室空いていたみたいだったなぁ。

今回の乗車は仕事の都合上、宇都宮駅から。
家路を急ぐ人々の雑踏をかき分けたどり着く地平ホーム。
そこへ推進運転で入線してくる北斗星。
本当は上野駅のあの独特の雰囲気を味わいたかったのですが・・・。

20時をすぎた宇都宮駅のホームは人影もまばらで雑踏とはほど遠く、そんな物寂しい闇夜の明かりの中を北斗星は滑り込んできます。
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この日青森まで牽引を担当するのはカシオペアカラーのEF510。
そう言えばEF81じゃなくなったんですよね。
青い客車を牽く赤い機関車は映えて良かったんだけどなぁ。

乗車し個室の前に立つが車掌さんから鍵を渡されないと部屋に入れない。
しかしその車掌さんがどこにいるかが分からない。
狭い通路にしばし立たされるが結構揺れる・・・。
5分ほど待たされて車掌さん登場。
カードキーを渡されようやく入室。
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岬めぐりが今まで乗ったことのあるB個室より明らかに広い空間。
入り口脇にはロッカー、入り口上にはたくさんの荷物が置けるスペースが。
ただ邪魔な上に踏み板の狭いハシゴで上る二段ベッドはあまり快適ではなさそう。
実際岬めぐりの身長では横になると足がつっかえます。
荷物が少ないなら狭くても対面で寝られる二人用B寝台個室“デュエット”の方がリーズナブルで勝手は良さそうです。
でも嫁は個室寝台に大興奮。
なかなか楽しそうでした。

個室でしばし休んだ後は食堂車“グランシャリオ”に移動。
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予約無しでも利用できるパブタイム。
ビーフシチューや煮込みハンバーグをメインにおつまみやオードブルワインなどが楽しめます。
本当はフランス料理のコースを食べたかったのですが乗車駅の都合上パブタイムの利用です。
岬めぐりは煮込みハンバーグのセット。
嫁はビーフシチューを頼みました。
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流れる車窓をスパイスに優雅なディナーとなるはずだったのですが・・・。
沿線はすでに真っ暗。
時折通過駅の明かりが見えるだけでした。
でもレールの継ぎ目を音をBGMにして食べる食事はいつもと違って新鮮でした。
ただ嫁は客車特有の揺れに馴れないらしく、ディナー終了後早々に床につきましたけど・・・。


ガツン!

ちょっと大きい衝撃で目が覚める。
外を見てみると表はもう明るい。
函館だ!
ここでは機関車の付け替えを見るつもりだったので慌てて起き上がる。
しかし時計を見てみるとまだ早朝4時過ぎ。
そこは函館ではなくまだ青森駅でした。
青森は暗いうちに抜けてしまうと思っていたのでビックリしました。
なので二度寝モード。
十数年前、初めて北斗星に乗った時は憧れの列車と言うこともあって興奮でほとんど眠れなかったけど、この年になると日々の疲れが抜けずぐっすりと眠れるんですね。

再び目を覚ましたのは函館に近づいた頃。
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津軽海峡線専用機関車ED79が函館を目指します。
北斗七星をモチーフに書かれたヘッドマークが旅情をかき立てます。
最近の車両はLED化された物が多く絵柄のヘッドマークを見ることが少なくなってしまって寂しい限りです。

昔ながらの開放B寝台の車両では通路にこんな補助シートが用意されています。
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ここでのんびり車窓を眺めるのも良いもんですよね。

ロビー室では目が覚めちゃったみなさんが集結。
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ちなみに列車内で自販機があるのはここだけ。
意外にもアルコール類は販売していません。
どうしてもと言う人はグランシャリオに行けば販売しています。

ロビー室の片隅にはシャワー室があります。
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靴脱ぎ場からドライヤーのある脱衣所を抜けるとこんなシャワー室があります。
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30分の予約制で320円。
6分間お湯が出ます。
長湯の岬めぐりには少々物足りない時間かな。

そうこうしているうちに列車は函館に到着。
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函館ではドアが開くので機関車の付け替えが見られます。

ED79とはここでお別れ。
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たくさんの乗客が列車から降りてきてカメラに納めていました。
マニアとは思えないご夫婦が記念写真撮る姿も多く見受けられ、旅を楽しむために北斗星に乗っている人も多いんだなとつくづく実感しました。

機関車を付け替えて三度走り出す北斗星。
再び進行方向が変わります。
函館の機関区には週末から運行されるSL函館大沼号の客車が置いてありました。
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なんでもこのSL函館大沼号。
今年度の運行を最後に運行されない公算が大なようで・・・。
そこで嫁さんを騙して道央から足を伸ばして撮影してしまおうと悪巧みをしていました。
ひぐま3号さんが撮ったこの景色を自分の目でも見てみたいなぁと思っていたんですよね。
でも残念ながら好天と運転日が重ならず断念となりました。
またいつか、この地にSLが走ることを祈るのみです。

食堂車“グランシャリオ”で朝食です。
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嫁は和定食。
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オイラは洋定食を注文。
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車窓を流れる北海道の景色を眺めながらの優雅な朝食。
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っとなるはずだったのですが・・・。
前日から乗り物酔いの兆候のある嫁は鮭を一片食べ味噌汁をすすっただけで箸が止まってしまいました。
食べることだけが楽しみで生きているような嫁の箸が止まると言うことはよっぽど調子悪いんでしょうね。
なんとか少しでも食べようと思っているみたいですが、相向かいで見ているこちらの方がはらはらしまして・・・。
他のお客さんに迷惑かけるようなことになってしまっては困るので寝室に戻ってもらうことに。
結局終点までずっと寝込んでたみたいです。
一方岬めぐりは嫁の分までたらい上げ車内探検をしてくるのでありました。

で、後で嫁に聞いてみた。
北斗星の旅はどうだったと。
「もう二度と良いかな」

この記事へのコメント

韋駄天
2014年08月19日 14:17
食堂車いいっすね~~!!
いつも旅路を急いでしまう韋駄天たち
たまには車窓を流れる景色を
楽しむのも必要ですねVV
2014年08月19日 21:58
> 韋駄天さん
北海道ではお世話になりました&ご馳走様でした。
お会いできて大変幸栄でした。
それとそちらのブログにコメント書き込め無くってごめんなさい。
北海道から帰宅後、いくつかのブロ友のサイトで何故か書き込みづらくなっていましてる状態です(^^ゞ

一泊二日の弾丸北海道旅行。
たしかに旅路を急いでしまってますよね。
旅のあり方って色々ですが時にはのんびり時間を過ごすって言うのも良いかもしれません。

釜飯
2014年08月20日 17:34
来年は我が家もブルトレ旅行すんぞ~と旅行資金を貯めてます(笑)

ちなみに食事ネタたぶん他人事にならない気がすます(笑)

滅茶苦茶参考になります(* ̄∇ ̄)ノ
2014年08月21日 00:03
> 釜飯さん
たぶん車歴が古くなってるからかなぁ。
昔乗った時に比べ遥かに揺れるようになった気が・・・。
たまたま
今回は早番を終えて大急ぎで電車に乗った疲れがどっと出ちゃって酔っちゃったのかもしれません。
嫁さんはいったいなんのために乗ったの!?としょげてました。

つーか来年ブルトレ残ってるのかなぁ。